6. 「―――――――――――――――――――――――――っ!!」 本日は無事にジェームズ・ピーター・シリウス・リーマス、そんでもってリリーと一緒に朝食を食べれて、あーよかったよかった嬉しいなー平和だなーとか思ってた瞬間、落っこちてきた真っ赤な封筒に一気に真っ青になった。両隣のシリウスとリーマス、テーブルをはさんでジェームズとピーターも同じように顔を青くしてフォークを取り落とす。 「・・・・・・・・・・・・・お、お前・・・何、したんだ・・・」 「え?なに?どういうこと?」 「ほ、吠えメール・・・・・・・!!」 「ウソだろ、おい・・・」 一人状況の分かっていないリリーをよそに、オレは慌てて立ち上がる。ごめんリリーオレはリリーが大好きだけど今は説明できるような心の余裕も時間の余裕もない!助けて! 「ああああああどうしよう!」 「・・・耳ふさげ」 「裏切り者―――ッッ!!」 次の瞬間。 「この馬鹿娘が―――――――――ッッッ!!!!」 大音量が爆発した。 「お前オレが何のためにあれだけ言ったと思ってんだ?あ?」 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」 「言ったよな行く前に。忘れものないか?って」 「言いましたはいちゃんと聞きました聞いてました」 「母さんもアオトも言ったよな?」 「はい言われましたしっかりちゃんと言われました」 「オレは今回のことでお前がどれだけオレたちの教育が身についてないかよぅくわかった」 「え そんなちょっと待って」 「。ウォルスから聞いたわよ。何してるのあなた?」 「か、かあさ」 「あなた分かってる?私、元・スリザリンよ。怒らせたらどうなるか、ホグワーツに入学した今、よくわかるわよね?」 「・・・・・・・!」 「あなたがその気になればなんでもやってしまうのは分かるわ。ウォルスの娘だものね。でもやっていいことと悪いことがあるんじゃないかしら?」 「(確実にmoverのことを言われてる・・・!)」 「そうね、何が一番いいおしおきになるか、を考えた末に吠えメールになったのよ。恥かいたでしょう?この馬鹿娘」 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいもうしません」 「あ、どーも皆さんお騒がせしましたー!うちの馬鹿な妹がどーもすみません」 「・・・・・・アオト兄・・・・・・・」 「ところでオレの妹に手ぇ出したら殺すぞ?それじゃあな、。今度やったらオレがお前を再教育しに行くからな?ではではー♪」 ・・・・・・・・・・食堂に沈黙が舞い降りた。 リーマスが同情の眼差しでぽん、と肩に手を置いた。というかリーマスだけじゃなく、もういっそその場にいる全員の視線から同情心を感じ取った。同情するなら金をくれ。ちっくしょー!!! * まさか、吠えメールが来るなんて。僕はの手に落ちた真っ赤な封筒を見て思った。よほどのことをしでかしたか何かしたのだろう、でも、何をしたんだろう?おろおろして逃げる暇もなく、なす術もなく煙を上げ始めた封筒を前に、シリウスの指示で周囲の人間は一斉に耳をふさいだ。それでも耳に響いた怒鳴り声。・・・これが、ウォルスさん。 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいほんとにごめんなさい!」 手紙に返事したって聞こえるわけはないのだが、きっとこれはの条件反射なんだろう。ほとんど土下座に近いような格好でひたすら手紙に対して平謝り続ける。その顔は蒼白でもうただ必死。 手紙の怒鳴る内容から、がなにかとても大切なものを家に忘れてきてしまったらしいことがわかった。こんなに怒鳴られて怒られるなんて、一体何を忘れてきたんだろう・・・。お父さんの声、次にお母さんの声(ドスのきいた低いウォルスさんの声も怖かったけど妙に優しげなお母さんの声もかなり怖い)のあとに飄々とした声。これが、あのアオトさん。・・・アオトさんだけは、僕たちホグワーツ生に対して威嚇して、更にに対してももちろんズバッと毒を吐いて、そうしてようやく彼女の吠えメールは収まった。 「大丈夫?」 「・・・・・・・・・・リーマス・・・・・・・」 今までで一番ぐったりとした顔でが呻いた。なんだか一気に大人びたみたいだ。・・・いや、老けたっていうのかな。ご愁傷様です。 「同情するなら金をくれ――――っっ!!!!」 うわぁん、と僕の肩に抱きついて泣き伏す(マネ)は、よく意味は分かんないけれどそんな事を言った。みんながぞろぞろと近づいてくる。 「まあまあ。ほれほれ、パンプキンパイをお食べ」 「パンプキンなんか嫌いだジェームズのあほ―――――――っっ!」 と言いつつも結局ぱくぱくと食べているはさすがだと思った。 「・・・ところで、。何をしたの?」 「むぐ(魔法薬の教科書を忘れただけ・・・だけどそれで普通ここまで怒られないし・・・。≪移動≫したことに関して怒られたんだけどそれを言うわけには・・・・・・・致し方ない。もうオレ、ホグワーツでの位置“ドアホ”でいいや・・・)。 教科書全部家に忘れた」 「・・・」 「お前・・・・・・・実は、アホ?」 「むぐぐぐっ!(うるせえ!)」 ←BACK**NEXT→ 090111 |