つくづくクラピカというやつは女ごころの分からないやつだと思うわけであって。容姿は綺麗だし、身長もそこそこだし、頭もいいし、一見すると完璧な美少年なんだけれど、でもほら、なんというか。気が利かないのだ。ようするに頭でっかち、理論派も度を過ぎると問題あるよ!みたいな?そもそも女の子の行動とか想いとかを理論だてて説明しろとか言うのがよくないのだ。ほんと、わかってないんだから。その点ではレオリオとかちょっと意外どころでゴンとかのほうがよっぽど上手い。女性に対する優しさが見え隠れするのはいいんだけど、それにしたって極端だ。かといって戦闘になると女の子だろうがなんだろうが容赦はしない。ってことはフェミニストじゃあないんだろうけど、でもそれが、うーんどういえばいいのかな。つまりは不器用?ああ、わかった。女の子に対する免疫が無いんだ。どう扱えばいいのか分かってないわけだ。そうだよね?


「―――――――
「んあ?」
「離れろ」


 なんてことをクラピカの腰にがっちり抱きついたままとうとうと語っていたら、寒々しい言葉が投げつけられた。だからもうなんでそういうこと言うかなあ!そう言うと彼からは恐ろしく冷たい視線が降ってくる。


「なんなんだ。私に対する嫌がらせか?」
「いや、あたしによるクラピカの精神分析」
「どこから言ったらいいかわからないのだが、不満ということで受け取っていいのだな?」
「いんやー。そんなことないよ?」


 別に、何故かデートがフィールドワーク的なことだったり何故かメールには必ず仕事の頼みごとがついてきたりすることを怒ってるわけじゃないよ?笑うとクラピカはあたしをじっと見下ろして(あたしが腰にしがみついてるわけだから顔は近い、というより目の前だ)しばらく沈黙した後に深いため息をついた。そんでもっていきなりそのままの体勢で髪を撫でられた。なんだお前。


。それを不満と言うのではないのか?」
「さぁ?」


 深く笑ってはぐらかす。クラピカはそれこそ不満そうな顔であたしを見下ろした。眉間にしわが寄ってる。ねえ、最近ずっとそんな顔ばっかじゃん、しわ、消えなくなっちゃうよ。そう言いながら指を伸ばしてそこに触れた。少しだけ彼の表情が和らぐ。


「不器用」
「・・・そうか?」


 うわ気づいてないよこの人。不思議そうに首を傾げた姿にあたしは苦笑した。不器用で神経質で心配性で、どーしようもなくただ一直線。周囲なんか見てる余裕なんてないんだろうけれど。その細い腰にぎゅうと抱きついたまま、そっと髪を撫でられながら、あたしはその青い目を覗き込む。綺麗な色。ぼんやりとそんなことを思っていたら唐突に顔がグンと近づいた。かすめるような口付けのあと、彼はほんの少しさびしそうに笑う。何か言おうとしたその言葉を遮るように、あたしは口を開く。


「いいよ、クラピカ。不器用で神経質で心配性で、頭でっかちでいい」
「―――――それは褒められているのか・・・?」
「いいんだってば」


 余裕ないのも知ってる。旅団を追って生きてきたから、それ以外のすべてを捨てて生きてきたから、普通の人と感覚がずれてるのも、女の子に免疫がないのもわかってる。自分の人生よりも復讐を選んできたのも分かってる。全部、知ってる。近くにいるようでどこか遠くにいるようなそんな雰囲気ですら。それはあたしも似ているところがあるから共感することだけはできる。

 だから、ね。あたしが、全部受け止めるよ。そんなクラピカが好きだって分かっているから。それでも隣にいたいと思えたから。そのままでいいよ。歪んでも崩れても、歩みを止めないままでいる、それがどんなに哀しいことを意味するかは分かっているけれど。止めないから。止めない代わりに、傍にいるから。


「・・・
「ん?」
「・・・ありがとう」
「じゃあ、お願い」
「―――――なんだ?」


 そう訊くクラピカからちょっとだけ体を離して、あたしの髪に触れていた彼の手に触れる。


「笑って」


 悲しい、淋しい、そんな笑顔でもいいから。笑ってくれるのなら、いつか幸せそうなそれにしてみせるから。何を失っても、笑えなくならないで。笑うことだけは、どうか忘れないでね。そう言うと彼は、虚を突かれたように目を見張って、それからゆっくりと微笑む。彼は再びくちづけを落としてから、小さく、わかった、と耳元で囁いた。















不可侵で曖昧な約束を君と


(やさしいやさしい約束を)

















THANKS A LOT!10000HIT!!
リクありがとうございましたv優菜様のみお持ち帰りOKです。

・・・ほのぼの時々甘ということだったのですが・・・
ほのぼの・・・?ほのぼのってなんぞや←
最終的に抱きつかせてみました。発想力の欠如が甚だしい\(^o^)/
甘いのかなー。これ甘いのかなー・・・。
夢主の一方的な独白に近い。半分愚痴だし(おい)
ほのぼのしてるのかなこれ(´・ω・`)
しかしうちの長編主、ほのぼのしているイメージないんですよね!(え)
こんなもので・・・よかったのだろうか。。。

リクエストありがとうございましたvどうぞこれからもよろしくお願いいたします!


















091224